イニーツィオとベスティア

10/13
前へ
/107ページ
次へ
「貴様が自然の神で居られるのも後少しの間だ。 我らの時代を切り開いてやる。」 海神はそう言い残すと、残りの2人も連れて去っていった。 「イニーツィオ、一つだけ聞きたい事があるの。 これほどの力を持ちながら、どうして私の力が必要なの?」 その言葉は完全にベスティアのものだった。 イニーツィオはこちらに振り返った。 「正確には、あなたかフィーネの力が必要なのです。 500年程前、あの3人が私を殺す計画が始まりました。 あなたの記憶にも残っているでしょう。」 私は夢の事を思い出した。 そう、あれは実際に起きた出来事。 「私のモンスター達が次々と殺されいった……」 思い出すだけで心が苦しくなる。 「そう、あの事件は私が原因なのです。 あの3人が私に勝っているものは魔力量です。 ご存知の通り、私は強大な魔法が使えます。 ですが、私自身の魔力量は他の神に比べても少ない方です。 そこで、あの3人は私の魔力を減らしてから倒す事にしたようです。 その時に、私に魔力を供給する神は邪魔ですから、あなたを消そうとしたのです。」 私が狙われたのはイニーツィオのせい? だから、あの時イニーツィオは悲しそうな顔をしてたの? 「もう、同じ過ちは繰り返したくありません。 せっかくあなたが復活したというのに、あの3人は再びあなたを狙っています。 今度は私の息子、フィナーレを使って……」
/107ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加