イニーツィオとベスティア

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(なるほど。 ようやくイニーツィオの筋書きが分かってきたな。) 蒼氷が頭の中に話しかけてくる。 (しばらく大人しいと思ったら、急に話しかけてくるのね。 それで、どうしたら良いと思う? 今、私がテレパシー出来るのは貴方だけなんだから、意見とか言って欲しいんだけど。) (さすがに風雷と緋炎は本部だからな。 テレパシーするには距離がありすぎるな。 ならばそろそろ俺も出るとするか。) 蒼氷がそう言った瞬間、指輪から湖の方へ光が放たれた。 イニーツィオがその様子に一瞬驚く。 そして次の瞬間大きな水しぶきをあげて青い龍が現れた。 「蒼氷…… 確か、水と氷を司るモンスターですね。」 イニーツィオの口から名前が出る。 「覚えてたんだね。 まあ、姉妹なんだからそのくらいの事は覚えてるものだよね。」 蒼氷はこちらに飛んできて、イニーツィオと聖奈の図上で止まった。 緋炎が西洋のドラゴンの姿なのに対して、蒼氷は東洋の龍の姿をしている。 「イニーツィオよ、俺から1つ質問させてもらおうか。 もしや、ベスティアとフィーネを戦わせようなどとは思っていないだろうな。」 蒼氷がイニーツィオに話しかける。 「察しが良いですね。 蒼氷の言う通りです。 あの3人を倒すにはそれなりの力が必要です。 つまり、モンスターと自然の力を持つものならば倒せるという事です。 どちらかが片方を殺して能力を手に入れ、あの3人を倒すのが確実なのです。」 「ふざけるな。 殺し合いなどベスティアには似合わん。 二つの力が必要ならば協力させれば良かろう。」
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