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「それでも良いですが、いずれはどちらか一方が自然の能力を得る事になります。
私の補佐をする女神は1人で良いのです。
もう、あの3人のような事にならないように。
それと、ベスティアにはメリットがあるのですよ。
今、ベスティアは神でありながら生まれ変わりであるがゆえに半神と同じです。
つまり、以前のようにモンスター達を復活させるには能力が足りないのです。
あの3人の能力があれば、モンスター達の楽園を作る事は容易いでしょう。」
イニーツィオは聖奈にそう言った。
私の目的……
復活したのは良いけど、以前ほどの能力は確かに無い。
私のモンスター達を再びこの世に解き放ちたい。
その為にはフィーネと協力してあの3人を倒し、さらにフィーネを倒して能力を得るしか無い。
一番良いのは、協力して倒す時にトドメを私が刺すこと。
そうすればフィーネと戦わなくても能力が手に入るけど、はたしてあのフィーネがトドメを私にさせてくれるかどうか……
聖奈がイニーツィオに言う。
「その話、考えさせてくれる?
姉であるあなたの娘に殺されるかもしれないなんてとんでもない話だけど、確かに私の真の復活にはもってこいの話なんだよね。
一体、あなたはどちらの味方なの?
妹?
娘?」
その問いにイニーツィオはこう答えた。
「私にとってあなたもフィーネも大切な存在です。
しかし、それ以上にこの自然を守らなければならないという女神としての使命があります。
私が自然を保てなくなれば、地球は今以上に均衡が崩れていくでしょう。
そうなれば、私から派生した他の神々もいなくなってしまいます。
そのような事態だけは避けなければなりません。
息子達は協力するどころか、母であるこの私を狙っています。
今はこの方法しか無いのです。
分かって下さい。」
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