聖戦への幕開け

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フィナーレがツリーハウスに帰ってきた時、フィーネの姿はどこにも無かった。 「フィーネ!」 どこ行ったんだ…… いくらフィーネでも俺に助けられたことは分かるだろうし、礼も言わずに出て行くなんて事はしないはずだ。 少なくとも、昔のか弱い妹なら…… 少し考えてから、もしかすると今のフィーネなら黙って出て行くかもしれないと思い直す。 フィーネは俺よりも強い。 神に殺されない限り死ぬ事は無い。 俺が心配する事も無いか…… 一応、今の俺たちは敵同士だしな…… 「ネロ、フィーネはどこへ行った。 監視させてたはずだ。」 (フィーネ様は町の方へ向かった。) 「どうして止めなかった。」 (ビアンカに止められた。) 「って事はやっぱり逃げたのか。」 (ビアンカに聞いたが、どうやらフィーネは記憶喪失らしい。 自分が自然の女神イニーツィオの娘だという事さえ忘れている。 ビアンカが話しかけても返事が無い。 それどころか、追いかけようとしたビアンカを攻撃した。 魔法は本能的に使えている。 町に着けば、大騒ぎになる。 今、ビアンカが探しに行っている。) 「もっと早く俺にテレパシーしろ! くそっ! ネロ、お前も探しに行ってくれ。 見つけ次第、今度こそ俺にテレパシーしてくれ。」 (了解した。)
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