噂のカレ

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「窓側の席で、あ、ここ! 空いてる!」 「ほんとだ! ゆっきーやるね!」 「ゆっきー図書館よく来るしねー」 「(ゆっきーか、ゆっきーは別にどうでもいいな~)そうなんだ~」 その席は、一つは太陽に背を向け光を受ける方。 もう一つは二階の影に覆われる方。 あたしがゆっきーとこの席で勉強するとき、大抵前者にゆっきーが座る。 あたしは、眩しい光を視界にうつしながら反対側に座る。 ゆっきーは手は動かないのに、口は止まることを知らないのかなんなのか、マシンガントークを繰り広げる。一人で。 そのくせ成績は上位に入る。 背も高いし、綺麗な栗色の髪でルックスもよし。 女の子にモテモテ。 あたしは同じ塾ってだけで、学校はクラス全然違うしあんまり会わないし。 塾友、ってとこだ(自称)。 そのわりにはよく遊んだかも、うん。 「こころ? 何ボーッとしてるの?」 「あっ、なんでもない!」 「そ? ここってどやってするの?わかんない」 「は!? ここは、解の公式!」 「なに、解の公式って! 意味わかんない~」 「なんでぇぇぇぇ」 自分の勉強、できるかなあ。
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