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「こころー、ノート見せてーっ」
「いーよん♪」
「ありがとー♥」
「うんっ」
長い髪をお団子にした凛花が、あたしの席に駆け寄ってきた。
「今日、りん当てられるのにやってないのー」
「いやいや、やりなさいよ」
「だってRUIが出てたんだよ!? もう見るしかないよっ!?」
「RUI出てたのー? 見たかったー」
「こころ、昨日テレビ見てないの?」
「うん」
凛花は、きゃぁぁぁ、もったいない! と叫びながら頭を抱えた。
「こころ、何これ? 全然わかんないっ」
「なんでよー、昨日やったとこだよ?」
喚く凛花に、数学を教えていたら。
「はよー」
「ん? ‥‥翔輝か。おはよー」
右の席の広瀬翔輝が登校してきた。
ドサッと乱暴にカバンをおろした。
「朝からうるせーな」
「うるさくてごめーんねっ」
「こころうぜっ!(笑」
「こころ、わかんないー!」
「あー、はいはい! え、これわかるでしょ」
「りんはわからないっ」
「ふ、石田ってバカだなー」
「うーわっ、広瀬サイアクっ、女子の敵、りんの敵!!」
「あはは、翔輝が敵とか!」
「ナメんな、俺最強だし」
パシッと頭を叩かれた。
「へー、ガンバってねー」
笑う翔輝に、笑い返した。
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