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午後の授業。
ぽかぽかと暖かい日射しが眠気を誘う。
しかも5限目。
2時頃は、一番眠くなる時間帯だから。
「‥‥この時間に現社はツラい‥‥‥‥」
「あたし寝そう‥‥」
現社の先生のやり方は。
隣同士、机をくっつけて授業を受けるというもので。
どちらかが忘れものしても、隣のひとに見せてもらえるな! ってことらしい。
あたしと翔輝の場合、忘れてくるのは確実に翔輝で見せるのはあたし。
ていうか翔輝、ロッカーに教科書類あるくせに机に持ってこない。
ふざけたヤツだ。
「寝ろ寝ろ」
「あたしは寝ません」
「すんげー眠そうな顔してるけど?」
あたしの顔を見てぷくく、と笑う翔輝。
いつかやり返してやる。
「マジメだなー」
「翔輝とは違うからねー」
「うざっ」
「ていうかノートとりなよ、テスト勉強するとき困るでしょ」
「テストの話すんなよおおおお」
やっぱり忘れてたか。
もうテスト週間だということを!
「うわ、全然ノート書いてないじゃん!だから下の方なんだよ!」
「うるせぇぇぇぇ」
「図星か」
なんだ、可愛い。とか言ってみる。
「じゃああたしがノートまとめてきてあげよっか?」
翔輝は凄い勢いで頷いた。
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