「脅してみる?」

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振り向いて、再度驚いたのは、その人が金髪だったから。 右手に、見覚えのある用紙を持っている。 遅刻届け。 そこには、“2年2組 若森一葉”と、……あたしの名前が。 「岡安……先輩」 入学してからの1年間、避け続けてこれたのに。 しかも、拾われてた。 どこで? もしかして……。 最悪な予感が脳裏を過る。 「はい。渡した」 先輩は、あたしの右手に遅刻届けを乗せる。 「ありがとうございます……」 「よかったわね、見つかって」 何も知らない先生は、微笑む。 全然よくない……。 あたしがはんこを貰う間、なぜか先輩はずっと隣にいて、あたしが職員室を出るときにも、なぜかついてきた。
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