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こちらを覗く顔は、そっと見守るような表情。
そんな顔、しないで。
怖いのに。
震えが止まらないのに。
突き放せない。
「……先輩のせいです」
「俺?」
「あの日、先輩が……」
ずっと待っていた連絡。
鳴らないケータイ。
あたし以外との、キス……。
今でも鮮やかによみがえる。
岡安先輩は、何のことなのかと思い出すように、「んー」とうなりながら、視線を上に移す。
この体勢、なんとかして……。
いつまで頭撫でてるの。
こんなこと、あたしにしたことなかったじゃない。
誰に使っていたんですか。
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