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「やだ……。絶対に嫌。もう先輩の彼女なんて、なりたくない……」
人が真剣に思い悩んでいることをからかって、楽しんで……。
先輩なんて大嫌い。
苦しい。
いつぶりだろう。
こんなに長く、男の人と会話を続けるのは。
「嫌いです!大っ嫌い!早く離して!先輩に触るのが、一番嫌い!」
バシバシと、先輩の胸を平手で何度叩いても、まるで壁を相手にしているかのように、意味のないことのように思える。
「きら――……っ!」
叩く手を、両手一遍(いっぺん)に、先輩の片手に奪われて、身動きがとれなくなる。
次に、一瞬間のうちに、顔が近づいて……。
――キスされる……!
そう思った矢先に、寸留め。
「彼女にならないなら、このままキスするぞ」
目先にある表情は、怒っているようにも見える。
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