17154人が本棚に入れています
本棚に追加
「なんっ……、ちょっと……!」
引き剥がしたいけど、力が足りない。
この先は……?
3年前の、告白の返事代わりのキス。
さっきの、他人の目を盗んで、この場所でのキス。
どちらも、相手はあたしじゃない。
「――なっ、なる!なります!」
あたしは、目をぎゅっと閉じて、叫んだ。
先輩の動きが、ピタリと止まる。
「先輩の彼女……、なるから……、これ以上はやだ……」
大した動きはしていないのに、この短い時間で、あたしはすでに息切れ。
顔がすごく熱くて、汗だく。
顔を濡らすのが、汗なのか涙なのか分からない。
最初のコメントを投稿しよう!