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あれだけ苦労しても離れなかったお互いの体は、あっさりと離れ、先輩はあたしの頭を右手でつかんだ。
「ひゃっ……!?」
わしづかみ!?
と、思ったら、その手はくしゃっと柔らかく髪の毛に埋まって、ゆっくりと頭を撫でた。
「いい子」
子供扱い。
でも、今日見た先輩の顔のどれよりも温かな表情だったから、あたしの反論でそれが消えるのがもったいなくて、何も言えなかった。
びくびくと震えるくらいに怖いのに。
あたし、何やってるんだろう……。
そして、先輩はどういうつもりなんだろう。
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