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先輩の反応は少し遅かったけれど、それでも全く動じることなく、笑ってうなずいた。
「いいよ。一葉がいいって言うまで、さわらない」
彼女になる女の子が「さわらないで」って言うのに、簡単に承諾。
好き同士じゃないんだから、当たり前。
３年前とは、違うから。お互いに。
違う。大丈夫。好きじゃない。
「そんなら、俺たちが付き合うことも、秘密にしてもいいよ」
「……え？」
「一葉が、ちゃんと男を好きになったとき、俺とのことを知られてたら迷惑だろ？」
傷口をえぐられるように、痛い。
男を好きになったとき。
つまり、岡安先輩以外の男を好きになったとき。
「そう……ですね」
鼻の奧が、ツンとする。
先輩は、今でもあたしを傷つけるのが上手い。
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