プロローグ

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心のどこかで期待していた。 先輩は、他の女の子と付き合ったりしない。 だって、あたしのことが好きだから告白をくれたんでしょ? あたしのことが好きだから、……あんなことをしたんでしょ? 先輩は、きっと、まだ……。 「……いいよ」 耳を疑った。 目を覆いたくなった。 殴られたんじゃないかと思うほど、クラクラする。 「……本当?岡安くん、彼女いると思ってたから、ダメなのかと……」 「彼女なんかいない」 「よかった……。嬉しい」 先輩が、今まさに告白してきた女子の肩をつかんで、顔を寄せて……、キスしてる。 先輩にとって、あたしのことは終わったことになっていた。 先輩は、もうあたしを好きじゃない。 ううん、はじめから、好きだった瞬間なんてなかったのかもしれない。 だって、あの日から、あたしも避けていたけど……、先輩も、あたしに近づこうとはしなかった。 キス以上ができるなら、あたしじゃなくても良かったんですか?
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