17149人が本棚に入れています
本棚に追加
/505ページ
あれから、1週間。
「えりちゃん、危ないっ」
「ん?――わぁ!」
授業は、4時間目。体育。
あたしたちのクラスは、1組と合同で行うことになっている。
本日の授業内容は、男子と女子にわかれて、ソフトボール。
順番が回ってきたえりちゃんが、バットを持ってバッターボックスに行こうとした時、突然ボールが飛び込んできた。
女子のピッチャーが投げたわけじゃなくて……、
「ごめーん!えーと……、松本!」
暴投した張本人らしき男子が、走ってくる。
こないだも、あたしとえりちゃんの名前を間違えた、久我くん。
「ダウンタウンか!あたしはツッコミの方の名前だからー!」
と、本当につっこみながら、えりちゃんが久我くんにボールを投げる。
「ありがとー!」
久我くんは、ミットで器用にボールを受け取り、走っていく。
「久我ー!お前、えりに怪我さしたら、ただじゃおかねーぞ!」
遠くからは、椎久くんの怒声。
「りょーすけうるさいぞーっ」
と、えりちゃんは、その一言限りで椎久くんに興味を示さなくなった。
周りの皆が笑って、あたしも笑う。
こういう、自分が関わっていないことでなら、男子を見ても結構平気なんだけどな……。
最初のコメントを投稿しよう!