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梅雨 六月はキルリ・ルーチェの裏
人格と言ってもいい存在だ。
顔合わせは梅雨の時期だった。
六月が笑う反面、キルリは無表情
だった。会話も合ってるようで、
矛盾し、また、ちぐはぐで。そん
な中で互いに思ったのは鏡の存在
と感じたぐらいな…些細なようで
、些細でない出来事。
感情をキルリから奪い、己のモノ
とし、以後、潤わない感情に梅雨
は蝕まれていた。最近までは。
「ネリネが卒業して…俺様も卒業
するまで…5年か」
恋人を思い浮かべ苦笑する。
結婚前提。それくらい好きだから
言ってしまったこと。勿論、今も
。
「俺様…5年も持つかな…」
シャワーから上がり、ふと呟く。
今もだが、家庭を持っているヤツ
が羨ましく思うのは鬼の欲か。
はたまた己か。境が分からないも
、良いモノと写っていた。
表に、キルリに憧れた。
知らされても尚、前向きなキルリ
に。梅雨には…無理だった。
そんなのわかったら逃げだす。
なかった事にしてしまう…けど。
「表と裏は似てない…
俺様もキルリも似てない…似てる
けど、似てない…」
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