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龍は神戟を振り回すのをやめて、体勢を戻す。
「うらぁぁあ!」
一人が突進してきて小刀で龍を刺そうとするが龍は神戟を縦に回して小刀を上に弾き、そして―――。
「でやぁあ!!」
神戟を男の心臓を貫き、男はそのまま息絶えた。
「よくも!はぁぁぁあ!」
二人目も一人目と同じようなことをしてくるが、龍は神戟を素早く引き抜いて防御に入る。
真剣同士が打ち合うような音が鳴り響く。
「うぉぉお!」
「チィッ!!」
龍は二発目を受け流し、二人目の背中をめがけて斬った。二人目は突進の反動で避けきれず二人目の胴体は2つに分かれた。
「くそがぁぁあ!二人の敵ぃぃぃい!」
三人目はさっきの二人違い、長剣を持っていたが扱いがなっておらず適当に振り回して攻撃してくる。龍は剣筋を見極めて簡単に避けていく。
「くそがきがぁぁあ!」
ついに当たらないことにキレたのか、三人目も突進してきて刺しに来る。
「はっ!」
龍は神戟を離して三人目の手首を掴み、膝蹴りをする。三人目は長剣を落とす。それを見た龍はすかさず素早い蹴りを三人目の腹に入れる。
すると腹に鈍い音が響き、三人目のあばら骨が折れたことに龍は気づいた。
「かっ……はっ……」
三人目はゆっくりと崩れ落ちて膝を着く。龍は崩れ落ちた三人目の頭を掴んでこちらに顔を無理矢理向かせる。
「なぁ、兄さん。ここは何処なんだ?」
「りょ……涼州隴西郡だ」
「そうか。ありがとな」
龍は放り投げるように三人目の頭を叩きつけた。三人目は息こそ絶え絶えだが、かすかに呼吸している。
「あーあ……またやっちまったな」
龍が中学生の頃、武術全般で人を殺めてかけてしまったことがあり、トラウマになりかけた。一年間精神科の病院に通ってトラウマを克服した。
「まぁ仕方ない……よな。てかここ……涼州隴西郡って言ってたよな、ということは……」
ここは三國時代の世界。涼州隴西郡で思い付く有名な武将名が董卓だった。
「董卓か……。暴君で酒池肉林が夢が有名だったよな。運がよけりゃ雇ってくれるか?……って町の方向を聞くの忘れた……」
すると後ろから馬が駆ける足音が聞こえた。振り返ると胸にさらしを巻いた美少女がいた。
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