167人が本棚に入れています
本棚に追加
/22ページ
城門をくぐり、中に入る。中はスッキリとした配置で暴れても問題無さそうな広さ。少し先には玉座があった。
「ほな私はちょっと用があるさかい、ここら辺ぶらぶらしとき」
「勝手にしていいのか?」
「ええよ、なんもあらへんし。あ、兵には私から言うとくわ」
「りょー」
龍は返事だけして霞とは反対方向に向かって歩き出した。歩いていくと廊下に入ると窓から光が射し込み、下を照らしていた。
「眩しいな……つか腹減ったな~……ん?」
龍はこの風景をなんにも思わず、とぼとぼと歩くと風とは違う音が聞こえた。窓から覗いてみると庭で1人の少女が戦斧を振り回して鍛練していた。
「戦斧?……あるゲームなら徐光なんだが……魏じゃないしなぁ……誰だろ?」
何処か庭に出れるような場所はないか見渡すと遠くに庭に出れそうな通路があったので龍は―――
「しゃらくせぇ!」
めんどくさくて殴って壁を破壊しました。壁は粉々に砕けちり、煙が少したちこもった。しかしそれをやったおかげで先は見えない。
「あっ……やり過ぎたか?」
煙が無くなったと同時に少女が勢いよく戦斧を振りかぶって襲ってきた。
「はぁぁあ!」
「え、ちょ、おま―――」
龍は間一髪回避し、降り下ろされた戦斧は地面を叩き、地面がへこんだ。
「はは……なかなか力があるようで」
「誰だ貴様は!?」
「俺は神矢……とりあえず龍の子とか呼ばれたな、霞に」
「ほう……貴様があの龍の子か」
少女は戦斧を持ち直し、龍が破壊した所から庭に出る。
「出ろ。貴様の武、見させてもらう」
「え……また戦うの?参戦目とかキツいんですけど」
龍もブツブツ文句を言いながらも庭に出る。その時もう少女は構えて待っていた。
「遅い!早くしろ!」
「さっきまで鍛練してたのに元気だね」
龍は背中に背負ってる神戟を取りだし、持ち構えた。
「準備はいいな?」
「いいけど……名前だけ教えてくれよ。こっちもとりあえずは名乗ってるしさ」
「私か?私の名は華雄だ。これでいいな」
「いや構わんけど……そんなに戦いたいのね」
龍が華雄にツッコミを入れると同時に華雄が接近し、そして戦斧を振り下ろし、攻撃する。龍はそれを受け流すことも出来たがわざと防御して受け止めた。受け止めると霞とは違い、やはり一撃が重いし並の兵なら即座に死んでいるだろう。
最初のコメントを投稿しよう!