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龍は照れ隠しに頭を掻いて華雄は黙り込み、考えるように頭を俯ける。
「おっいたいた。龍~……って華雄も一緒かいな」
龍が破壊した壁から霞が出てきた。壁のことは気付いてないのかスルーである。
「霞か。どうした?」
「どうしたやないわ。これからウチらの主……まぁここの領主やな、紹介するわ」
「え?来てくれたんか?わざわざ来なくてもこっちから行ったのに」
「まぁ気の優しい人やっちゃやからな。もうすぐ来るとおも―――」
「何よこれ!?」
破壊された壁付近から声が壁越しに聞こえた。たぶん破壊した壁のことだろうなと龍は思いながらそっちを見ながら黙って待つ。すると出てきたのは二人の少女。龍から見れば小さい少女だった。一方はメガネを掛けて偉そうだが、もう一方は気が優しそうでおっとりしてる。
「誰?!こんなメチャクチャにしたのは!?」
「え、詠ちゃん。落ち着いて」
眼鏡の方は怒った猿の様にわめき散らかして、気の優しそうな方はそいつをなだめてる。
「すまん、めんどくさくて破壊した」
ほっておくと殊更面倒なことになりそうと思った龍は正直に申し出た。
「アンタか!
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