『鐘楼に誓ったこと…』

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「…ぉはようございます…」 布団からむくっと起き、右手で目を擦りながら、 まだ寝てる人たちにボソッとあいさつをした。 「烝さんが…いない…、 あ、れ…篠原さんもいない…、ッ!!!」 私は、夏休み恒例の朝の体操の時間に遅刻してしまった。 他の寝てる人たちはほっておいて、 勢い良く起き、直垂を着て部屋を急いで出た。 「ッいち!にッ!さんッ、しッ!!…」 もう、朝の体操は始まっていた。 永倉さんが掛け声を言いながら、他の人たちも 後につれて掛け声を言っていた。 そこには、烝さんと篠原さんも体操をしていた。 「早く体操しろッ!じゃないと、土方さんに怒られる…(小声)」 烝さんが体操をしながら、ボーっと突っ立っていた私に 小声で話しかけられたので、急いでその場で体操をした。 この朝の体操が終わるとスタンプ式カードに 一日一回、沖田さんのウィンクしているスタンプを押して貰える。 これを1ヶ月15日間続き、全部貯まると 『1日どこでも外出券』を貰える。 それを貰うためにほしい人は必死で毎朝、起きている。 もちろん、私もほしい。 もらったら、実家に戻りたいと思っているからだ。
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