0人が本棚に入れています
本棚に追加
小鳥のさえずりと窓から差し込む暖かな春の日差しを浴びて
目を覚ました。
ゆっくりと開いた目の瞳はきらきらとかがやいている。
うるさい目覚ましや、親の怒鳴り声で目を覚ますのは気が滅入る。
といっても自分には両親がいない。
生まれたときからおじいさんに育てられた。
もしかすると、赤ちゃんだった頃にはいたのかもしれないが、少なくとも
自分の記憶にはこれっぽっちも残ってはいない。
気になって小さい頃におじい(私はこう呼んでいる)に聞いてみたことがある。
「お父さんとお母さんはどこにいるの?」と。
そう聞くと、おじいは決まってこういった。
「綺麗な星に戻れたんじゃよ。」
何度きいても同じ答えだった。おそらく死んだということだろうとは思うが、
今でも意味はわからない。
少し大きくなった私はふれないほうがいい事なのかと思い、
聞かないようになった。それ以来一度も両親については聞いていない。
だから、両親については「おそらく死んだ」ということしかわかっていない。
最初のコメントを投稿しよう!