尋斗

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小学生の時だった。 「尋くんあのね、おばあちゃんはおじいちゃんが好きよ。」 「でもね、おじいちゃんと過ごせた時間はそう長くはなかったの。」 「どれくらい?」 「三年かな。でもね、その三年間がおばあちゃんにとっては、一生より長くも感じられたの。」 「三年が一生??」 「三年間のうちにね、おばあちゃんは、生まれ変わって、成長して、泣いて笑って、さらが産まれてきてくれて親になれたの。」 「生まれ変わったの?」 「そうよ。生まれ変わったの。人ってね、変われないようで、変われるのよ。」
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