第一章「都市伝説」

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最近、この町である都市伝説が流行っているらしい。 どうやらスマートホンのアプリ「Line」の友達追加機能の一つである「ふるふる」を使って、ある時間にある場所で友達を探すと居ないはずの友達が追加される、という話らしい。 だが、まだ誰もその友達を追加できた者はいないという。 僕、高原康太がこの話を知ったのは、幼馴染である小鳥遊芽愛に、 「こーちゃん友達作るの苦手なんだからこれでもやって練習しなよ!」と、教えてもらったのだ。(ちなみにこーちゃんとは僕のこと) 僕はつい先日中学を卒業したばかりで友達が少ない。 誰でもいいから友達に!と切実に思っているためこの馬鹿げた都市伝説を少しばかり信じてみる事にした。 決まった探し方があるわけでもないので、少しばかし根気が必要だったが友達を作るため、僕は必死になった。 闇雲に探すよりほかないのであらゆる時間帯に、あらゆる場所でスマホを振ることにした。まぁ、そんな方法で見つかるわけもなく……。 半月の間、ずっと振り続けていたがそろそろ体力の限界が来たようだ。 散歩しながらも振っていたので通行人には冷ややかな目線で見られたりもした。この方法は体力に余裕がある時のみとしよう。 その後もネットの掲示板や中学時代の知り合い、それに芽愛にも聞きながら、いろいろな方法で試行錯誤したのだが、一向にその「友達」は姿を現さなかった……。
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