第一章「都市伝説」

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結局、高校の入学一週間前まで経ったがなんの収穫もなかった。 「やっぱり都市伝説は単なる都市伝説、本当なわけないんだ……」 独り言を呟きながら自分の部屋でヤケクソにスマホを振りまくる。 ……そういえば部屋で振ったことって無かったな、と思いながらも振りまくる。 その時だった。 画面から光が溢れ、視界が塞がれ、ついでに音がなったのだ。なんの音かって?スマホだ。 僕のスマホは大抵の場合、ミュート設定にしてある。 にもかかわらず音がなったのだ。 やっと視界が晴れた僕は部屋を見渡すがそこはいつもの僕の部屋で何も変わりはなかった。 そういえば、と僕はスマホの画面を覗きこんだ。 音がなったということはつまり……。 期待に胸を膨らませそこに表示されていたのは、 『友達が見つかりませんでした』 という一文だけだった。 僕は不思議に思ったが、よくよく考えたらミュート設定が勝手に解除されることなんてないし、ただの聞き間違いだろう、と納得した。 ただ、画面から溢れでた光の正体がわからないのが少々不安だが、その光の影響かどうかは定かではないがとてつもない眠気に駆られたのでベッドに倒れ込んだ。 部屋のドアの前に佇む気配に気づかずに……。
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