第一章「都市伝説」

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目が覚めるとそこは自分の部屋ではなかった。 見覚えのない、草原が広がっていた。 僕はそこでやはり昨日寝に入ったときと同じ服装で横たわっていた。 暖かい太陽の日差しと風が体を包みこみ、草特有の香りが鼻を撫でていた。 困惑した僕は状況把握をしようと深呼吸をし、立ち上がり歩き出した。   それからどれだけの時間が経過しただろうか、歩いても歩いても同じ景色ばかりだ。 ますます困惑した僕は歩き疲れ、その場でまた横たわった。 「一体ここはどこなんだ?」 その問いに答える者はいない。このどこまでも広がる草原には自分以外はいなかった。 歩き疲れからか、急に瞼が重くなり僕は目を閉じた。 意識が戻り目を開けるとそこは見慣れた自分の部屋だった。 「夢……?」 一体なんだったんだろうか。僕の困惑は増すばかりだ。 ただどうやら、ひどくうなされていたようで喉の渇きと汗が目立った。 ひとまず、自分の部屋から出て階段を下りて一階にあるリビングへ向かった。 リビングのドアを開けるとそこには見知らぬ女性がソファーに腰を掛けて天気予報を眺めていた。
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