春--恋をした--

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僕の名前は慶介(ケイスケ)。 麗らかな春の日差しが眩しく降り注ぐ電車に揺られている。 わざわざ、入学式に参加するためだけに満員電車に乗り込んだ。 幸いにも、扉の近くの角に身を収めることができて幾分楽はできているが、春の陽気とは対象的に気分はよくない。 僕の入学した高校は男子校だ。 青春を謳歌しようと中学3年の時、必死に取り組んだ受験勉強。 結果は惨敗だった。 私立、公立といくつも挑戦したが、全てで不合格通知を郵送された。 なんとか、合格した高校は共学ではなく男子校という結末だった。 共学を目指したのは他でもない…… 僕はとてつもなく女性が苦手で、男子校なんかに入学しようものなら青春を謳歌することなんてできないと思ったからだった。 動機が不純なだけに、今思えば、なるべくしてこうなった気もする…… そんなところで、入学式になんの魅力も感じていないというわけだ。 脱力感と虚無感に苛まれて、ただただ扉から流れていく景色を眺めているわけだ。
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