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1.校庭
「暑い~。」
こんなこと言ったところで、暑さは和らぎはしないけど部室から見える校庭は、夏の光を反射して死ぬほど暑そうに見える。
雨上がりということもあわさって、環境は最悪だ。
今日に限っては、亜紀も空目も参っているように見えた。
これ以上暑いと連呼したら、暑さで切れそうな亜紀に叱られる気がして武巳は視線を校庭に向ける。
どろどろの校庭を歩いて帰るのに、苦労しているのを見ているとなんだか、泥遊びをしたくなってくる。
よく見ると、すでにしているヤツまで見えた。
(どうせ暑いなら…)
遊んで汗をかくほうがいいと、武巳は部室を飛び出す。
「やっぱり、行ったね。」
校庭に向かい走る武巳の背中を見ながら亜紀がつぶやく。
周りの皆が苦笑を浮かべる中、稜子一人が「行きたかった…」と悔しがっていた。
そんなことを知らず、武巳は思う存分遊びまくった。
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