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1.No.2
前にクラスの子達が話してた『No.1にこそ意味があるんだ。』って。
けど私にはわからない。だってNo.2のほうが気持ち的に楽だから。
No.1はいつ落とされるかわからない恐怖がつきまとってくるから苦手。
だから私、No.2でいいと思ってたの。
武巳君に会うまでは………
「お―――い、稜子―――!!」
そう呼ばれて振り向くと想像していた通り、武巳がそこにいた。
「どうしたの、武巳君?」
弾む気持ちを押さえながら尋ねると、彼は笑いながらさっきあった面白いことを教えてくれる。
(あぁ、どうか彼の一番が私でありますように。)
笑う彼の顔を見ながら、一緒になって笑って、心の中でそう切に願う。
他のことではいいけど、彼の中でNo.2でいるのはイヤ。
だって、好きだから………
その気持ちをまだ伝えられないまま、私は彼の隣にいる。
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