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(この声………)
片想いしてる人の声。
顔が赤くなるのがわかって、思わず隠れた。
「あぁ、わかった。じゃぁな。」
そう言って彼は、携帯をしまう。
ふいに振り向いた彼の目と顔を出した私の目が重なる。
「やばっ。」
そう呟き彼は携帯を隠した。どうやら告げ口されるかと思われたらしい。
「あのさ、内緒にしてくれない?」
そう頼まれて私はうなずいて自分の携帯を見せた。
「私も持ってるの。だから、言わない。」
そう必死に言ったら、彼は一瞬驚いた後、大きな声で笑われた。
「なんか、イメージが違う……」
そう言って笑った彼の顔がいつもよりも幼く見えて、顔が赤くなる。
幸いにも彼にはバレなかった。
偶然同じだった着信音。
意外だった幼い笑顔。
今でも思い出せる、私だけの大事な思い出。
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