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4.12分37秒
ちら。
これで三回目の確認。
―10分の遅刻………―
さすがに毎度の遅刻に苛立ちさえおきなくなってきている。
「はぁ。」
携帯の時計を見て、メールがきてないことにため息。ため息はこれで五回目。
―遅い。―
早目に来てるぶん、結構きつかったりしてる。
このまま待って、30分になったら帰ろう。そう心に決めてまた、人混みに彼を探す。
―今日は何をしてもらおう。―
いつものように罰ゲームを考えながら待ってみる。
ちょっとした気晴らしになるし、今日は特別な日だから絶対に許さない。
そんな思いで考えていると、人混みの中に一際目立つ彼がいた。
私に気付くと手を振って走ってくる。ちらっと時計を見てカウントダウン開始。
―1、2、3、―
静かに秒針を見ながら数える。我ながら呆れるがどうしてもやめられない。
―35、36、37。―
目の前に現れたことでカウントダウン終了。
「12分37秒。」
言外に何をしていたの?と聞くと甘い笑顔を浮かべて私の首に何かをかける。
見てみると欲しかったネックレスで目を丸くする。
「半年記念日だからね。」
そう言って歩きだす彼。
今日も使うことの無かった罰ゲームを頭のリストに書き込んでおく。
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