恋をしている10の題 ○

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6.ぎゅってしてね 真夜中に目を覚ます。 嫌な夢を見た。 貴方が遠くに行ってしまう夢を……… 不安になって隣を見たら、貴方はちゃんと存在した。 けれど不安は消えなくて、私は上半身を起こして貴方に近づく。 「シゲ?」 不安げに貴方の愛称を口にして、顔を近付ける。 呼吸をしていることと、体の温かさを確認する。 それでやっと不安はなくなった。 「よかった………」 「何が?」 驚きと同時に腕を引っ張られ気が付いたら貴方の腕の中。 「どうかした?」 優しい声が頭上から聞こえてきて、私は涙を流した。 「どうした?」 慌てた貴方の声に首を横に振る。 「なんでも………ないから………」 ぎゅってして 震える声で囁けば、体にまわされた腕に力がこもる。 すっかり安心した私は、心地よい温かさの中で眠りにつく。 もう悪夢なんか見ない。 だって、貴方に抱きしめられているんだもの……
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