祈り

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「いたぞ!こっちだ!」 町中のいたるところで残党狩りをしていた、会津・桑名藩の追っ手が、ふたりに襲い掛かる。 ・・・そして、暗闇の中、二人の命は儚く散った。 瑞希を町人と間違えた藩士たちは、一般人を巻き込んだ、と人々から非難されることを恐れ、稔麿の遺体から離す。 稔麿のもとに残ったのは、倒れたときに懐からこぼれ落ちた、瑞希の懐中時計だけだった。 ・・・・・・心だけは、あなたと共に・・・・・ そしてすべては史実どおりに終わる。 真実は、時の経過と共に歴史の闇に覆われる。
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