王道主人公が偽物なら脇役も偽物

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ちょっと、軽く話して下校中 やっぱり暑い午後三時照りつける太陽で地面がシュリーレン起こしてる頃 俺はうな垂れながら空を見上げとても涼やかな青空を睨んでいた ただ、今思い返せば、いつも通っていたせいかこの道じゃないとしっくりこないというほどに馴染んでいたこの通学路から不気味なほど音が消えていた だが、そんな判断力は二人の背中を見守る太陽の安心感で失われていた 「ちょっと創師ー。聞いてる?」 音のない世界から引き戻された俺は横にいる天賦を見つめ 「ああ、スマン聞いてなかった。それで何?」 「上を見るのもいいけど一度下を見てくれないかな?」 ただ一人の友達それでいて親友の言葉を聞き入れた そして目に映ったのは、円…そして、書き連ねられたある意味芸術とも思えるような解読不可能な文字、どういう原理かその二つは天賦の足元を楽しげに踊っていた 俺はこれが何を意味するかは知っていた 「どうやら、俺とお前はここでお別れみたいだな…。そうだ、ちょうどプレゼントやるよ」 俺はそう言ってばっと服の中から十字架の付いたチェーンネックレスを渡した そして、天賦は何も言わず俺の手に持ったものを取ろうとしたときぽっと天賦の足元に穴が開いた とっさのことに驚いた天賦は反射的に俺の手首をつかんで俺は地面に叩きつけられた 「ばっ、何するやめろ!」 「ごめん!僕だってびっくりしたんだ本当にごめん!!」 「なら早く離してくれ!なんかやばい感じがするぞ!」 「うん!」 そして、手首にかかる力が弱くなり完全になくなったとき、穴が大の大人二人入れるほどに拡大した この世界から二人の記録がなくなった
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