真夏日

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うちわすら鬱陶しい天気。 あおいでもあおいでも、生ぬるい湿気混じりの空気がもやりとするだけ。 避難するように私は空調のきいた図書館へと入った。 少し肌寒いくらいで心地いい。 すーっとたちまち汗が引いていく。 図書館は初めて来る場所だった。 小学5年生の時の図書室を最後に、本を借りる場所には縁が無かった。 読書感想文は後書きを読んで想像で書いたし、こんなところで熱心に勉強する習慣もなかった。 暑苦しすぎる気候の中でふと目に入ったので、それとなく初体験。 行ってみようと思いたった。 ひとりでなかなか外出しない私には、珍しい思いつきだ。 暑すぎて限界だったんだろう。 読みたい本のあてがあるでもなく、いろんな本棚をぐるぐると見て回る。 変なタイトルだなぁとか、こんな本誰が読むのかなぁとか、大した事も考えず。 それでも目に留まるという事はあるもので。 私はなんとなくその本を手にした。
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