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そこにはありとあらゆる知識や手法をもって、いろんな人を殺めていくピエロの話が描かれていた。
短編のように区切られていて、一話ごとに一人ずつ、確実に追い詰めていく加害者目線の酷い話だ。
ピエロの狂っていておかしな論理にも関わらず、なんとも言えぬ語り口でうっかり騙されてしまう。
そんな恐ろしくて魅力的な話。
どんなに恐ろしい殺人鬼だとしても、自分と同じ人だという事でとても思想に興味は湧くものだ。
少なくとも私は。
物語に入りこんでしまった私はどんどん読み進め、あっという間に最終章へとたどり着いてしまった。
気づくと窓からは橙色の光が差し込んで来ている。
思ったより長居してしまった。
私は最終章を読まずに本を元の棚に戻す事にした。
はじめての図書館はなかなか居心地がよく、時間を忘れて楽しめた。
私はまた来るだろう。
続きはその時の楽しみにしておこう。
そう思ったのだ。
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