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それからというもの、私の週休二日の過ごし方は定番となった。
昼過ぎに起きて風呂で寝汗を洗い流し、飾り気の無いワンピースを着て、青々としている街路樹の下を通り、図書館へと歩く。
いつもじっと涼しげに佇んでいるその建物は、普通のそれと少しだけ違う雰囲気を醸し出している。
外観に代わり映えはないものの、内装は拘ったものだ。
インテリアの全てが図書館というよりはカフェという場所が似つかわしい。
椅子やテーブルは一つ一つデザインが違うし、外が薄暗い日だけに点くライトはややオレンジがかっている落ち着いた色。
利用客も子供は少数で、ほとんどが大人。
男性よりも女性が多い印象を受ける。
私は来る度に違う椅子に座った。
赤い布で覆われた二人がけのソファ。
薄茶のロッキングチェア。
黄緑と黄色のスチール椅子。
そうしていろいろ一通り座ったのち、一番居心地のよい椅子が私の指定席となった。
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