真夏日

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木で編みこまれたアジアンな作り。 固すぎず柔らかすぎないアイボリー色のクッション。 背もたれいっぱいまで座ると見た目に反して深く、すっぽりと体が収まる。 座った対面には小さなガラスの丸テーブルと花が飾られていない花瓶。 そして同じタイプの椅子がもう一脚。 夕焼けが一番綺麗に見える窓のすぐ傍に置かれていた。 夕日が出るまでは多少暗がりで奥まった場所にあるからか、これだけ広い空間の中でそこの席だけがなんとなく足を運びにくい印象があった。 私が行く時間はちらほら人もいるのだが、そこはいつも空席で。 この椅子は私が座るのを待っている、なんて妄想なんかしながら、毎回そこへ導かれるように腰掛けるのだ。
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