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私、祗園 花(ギオン ハナ)はここ祗園神社の巫女…なんだけど、才能は全くない。
「…うしっ、今日も深月に負けないぐらい頑張るぞ!」
全身が映る鏡の前で制服に着替えた私はそう言った。
あ、深月っていうのは私の幼なじみで完璧な奴。完璧って言葉が似合うのはアイツだけだと思う。
私の家は由緒正しい神社で私は巫女ってわけ。
「…花様、そろそろ学校の時間でございます」
襖の外から女の人の声。声の主はもう一人の巫女だけど位?は私の方が偉いらしい。
「あ、うん。操ちゃんありがとね」
斎藤 操(サイトウ ミサオ)ちゃんは私と同い年で私が12歳の時、家に来たの。
操ちゃんにお礼を言って襖を開けると既に緋袴を着、正座していた。
同い年だから仲良くしたいんだけどまだ心を開いてくれてないの。
「………」
自分の仕事(私を起こす)が終わると操ちゃんは神社を綺麗に掃除する。
外へ出て行く操ちゃんを尻目に私はリビングへ向かう。
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