はじめに

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近い昔、18才そこそこの冴えない男がいた。 中学時代。 彼は虐めに近いからかわれる存在となり、学業を放棄して自宅警備員へ就職。 何故その様な事態に陥ったのか。 答えは簡単だ。 ソレは英語の授業中に起きた。 先生が虎視眈々と英文を読み上げる。 「はい、では今の会話でトム君は何と答えたか。…佐藤くん。」 なんと! 気配を消していたにも関わらず、先生は俺…ではなく佐藤くんを認識していた! コレにはたまらず立ち上がる佐藤くん。俺ではない。 するとどうだろう。 俺ではない佐藤くん。 頑張ってみたものの、俺は英文を理解できなかった。 いや佐藤くん。 でぃすいずあっぽーレベルの佐藤くん。 でぃすいずハイパーサイクロン(扇風機)レベルの佐藤くん。 しかし如何に独創的な発想を持ってしても訳せない英文。 頑なな英文。 一片の隙も無し英文。 でぃすいず【あ】が抜けている初歩的ミスに気付けない佐藤くん。 困り果てた佐藤くん。 沈黙のまま一分は過ぎたんじゃないだろうか。 そんな時、アレは起きたのだった。
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