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「よ~し今日は部室の大掃除をしよう!」
部長の石神澪がいつも通りどうでもいいことを無駄に元気よく言っていた。それを私含めて帰宅部全員が聞き流す。そもそも私、神埼木葉がこの帰宅部に本当に偶然というか運がなかったといえばいいのか・・・・。
【一ヶ月前・・・】
部活入部期間の日、高校の部活に興味があった私はいろんな部活の体験入部をしていた。そのなかでであったのが帰宅部だったのだ。
「あの・・・失礼し・・・」
「後輩君キタ――――――――――――!」
「ました・・・」
私は静かにドアを閉めた。うん。今のは忘れよう。こんな部なんてなかったんだ。早く他の部活動に・・・
「勝手閉めるんじゃない!」
「いや、人が一生懸命現実逃避してるのに邪魔しないでもらえますか」
「いいかい後輩君。この世の中現実から目を背けても政治は変わらないんだよ!霞ヶ関の埋蔵金はあるんだよ!」
「いや知りませんよ」
「だから部室の入ろう!」
「意味分かりませんよ!何でそんなスケールのでかい話をされてからそうなるんですか!入りませんよ」
「面白い本があるのに?」
「入りませんよ」
「君の秘密がばら蒔かれても?」
「あなたが私の何を知ってるですか!」
そんな会話が帰宅部の部室の前のドア越しに行われていた。当然周りから見ると私がドアと会話しているようにしか見えないわけで・・・
「だから!」
私は周りから変な目で見られていた。
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