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「大丈夫?」
気がつくと洞窟の中に居て赤いずきんをかぶった少女が居た
(人間!?なんでこんなところに!?そうか…わしは確か逃げるときに撃たれて…撃たれて…それから…)
『ウウ…ガルッ』
「ああっ…動いちゃだめ!」
『くっ……』
「あれ?喋れるの?…足…大丈夫?」
『足?…痛くない…なぜだ!?…わしは足を撃たれたんだぞ!』
「それは私が、これを塗ったからだよ。」
『………それは?』
葉に乗せてあった実…どうやら、擦って塗り薬にしているらしい
「イグドラシルの実の薬だよ。」
『イグドラシル?』
「うん…この辺じゃあまり取れないって聞くけど…」
イグドラシルの実、人間の世界では取れないと聞くが…なぜこの人間が…
「あっ…そういえば、名前聞いてなかったね。」
『名じゃと?…わしに名など無いわ…もともと一匹じゃったしな…育ての親も見たことない…』
「じゃあ…シシル!シシルは?」
『何でもよい…その…シシルと言うのは…わしの名か?』
「うん!」
少女はずきんの中から笑顔で答えた…
洞窟内は暗くはなかった…赤ずきんの少女が焚き火を焚いていて、その火で周りが明るかった。
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