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「つまり、なんだ。下北さんは、恋愛感情の矛先が僕じゃなくてもいいって事だよね」
「矛先だなんて人聞き悪い言い方はやめて下さい。そういう時は『白羽の矢を立てた』って言うんです」
「そっちの方が人聞き悪いよ」
彼女の醸し出す独特の雰囲気か。小さい可笑しさが積み重なって、いつの間にか捨て置けないくらいの可愛いらしさに変わっていたような。と表現すればいいのか。
彼女の愛の告白にはお断りしたいのが本心だが、この場は離れたくないのもまた本心である。
不思議と、下北は、楽しい。
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