序章

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ー…天保15年1月1日…ー オギャアオギャアオギャア 赤子の泣き声が小さな家に響き渡る。 「頑張りましたなぁ、元気な三つ子ですよ。女児と男児2人…」 ありがとうございます。と何度もお礼を言う女と男 女の横に三人の赤子が並べられる。 「おまえさん、名前決めて下さいませ。」 女は男に対し名前を決めるように乞う。 「そうだな……勝(ひさ)、廣明(こうめい)、一(はじめ)なんてのはどうだい?」 男は暫く考えた末に勝、廣明、一と赤子に名付けた。 女は、三つ子を向き微笑みながら軽く頷く。 この日、二人はとても嬉しそうだった。 この子達が元気に育ち幸せになりますようにと、仏にねがったのだった。 (この子達に幸多からんことを……)
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