4457人が本棚に入れています
本棚に追加
/757ページ
「聞こえちゃった?」
「ああ。耳障りな声がな」
振り返って俺を見て、人の悪い笑みを浮かべるのはクラスメイトの永塚透也。
このクラスで唯一喋る奴であり、現在進行形で利用させて貰っている。
お互いこの学園では珍しい庶民と言う事もあるのだが、コイツの性格は淡々としていて、付き合い易い。
おまけに"今の俺"を存分に嫌って頂けているのだから、俺にとっては好印象だ。
「お前の独り言は本当にバカと言う事を表していて滑稽だ」
こんな事言うから、友達出来ないんだよ。
言ってやりたいが、自分のキャラ上それが許されない。
「場を弁える事だな」
鼻で黙っている俺に嗤い、永塚は元の読書へと戻る。
お前のそのキャラも場を弁えた方が良いよ。
とは言えず、俺も元の『窓の外の空をバカみたいに眺める』に戻った。
最初のコメントを投稿しよう!