4 サンプルの恋人

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「具体的にはいつ頃結婚するの?」 「五月くらいになると思います。でも今からだと半年くらいしか、時間がないので、もっと先になるかもしれませんけど」 「結婚式するんだね。呼んでね」 「もちろんです!」   さやかちゃんの花嫁姿かあ。かわいいだろうなあ。直ちゃん見ただけで泣いちゃうんじゃないかな。 「仕事はこれからも続けてくれるんだよね?」 「はい。もちろんです」   そろそろ、SEASONSも大勝負にでないといけない。私と麻衣子はSEASONSを立ち上げてから、最終的にどうしたいか、今まで、色々と話し合ってきた。 「実行の時期にぴったりかもね」   一人で呟くと、さやかちゃんが、ぽかんとした表情で首をかしげた。   その日はさやかちゃんの結婚話で、女性スタッフは大盛り上がりだった。おかげで私も課題のことをすっかり忘れて、何事もなかったかのように石崎君と仕事ができた。就業時間も間もない頃に、麻衣子がみんなを集合させた。 「発表したいことがあるの」   スタッフ全員に緊張が走った。 「一年以内に自社ビル持つわよ」   麻衣子の言葉に私と石崎くんを除くスタッフが驚きの表情を浮かべた。  絶妙のタイミングだね。麻衣子。 「半年以内に自社製品のカタログたちあげるわよ。もう、内々に準備していたの。スタッフも増員するけど、とりあえず新卒は採らないで、いま引き抜きを何人かかけてる所」 .
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