僕の彼女は女神様④

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外れない。 本当に、外れない。どうしよう? 一生懸命外そうとするけど、外れない。 もう、焦りすぎて、泣きそうになっていると、一番恐れていた事が起きた。 「直ちゃん、何してるの? あれ? 何これ?」 さやちゃんは、自分の指にはまっているものを訝しげに見つめた。 鍵の束みたいなそれは、さやちゃんが少し手を動かしただけで、ジャラジャラと大袈裟な音を立てた。 さやちゃんは完全に、起きてしまった。 「さやちゃん、ごめん。外れないんだ」 寝起きのさやちゃんは、ぽかんとした。 「外れないんだ。どうしよう?」 「これ、あっ。指輪のサイズ測るヤツだね。うん大丈夫。すぐ外れるよ。直ちゃん、私のバッグ取って来て」 さやちゃんにそう言われて、僕は慌ててさやちゃんのバッグを掴んで渡した。 さやちゃんは、バッグの中のソーイングセットを出して、白い糸を自分の指に巻き始めた。 「前にお母さんがやってるの見た事があるの。こうやって、ゆびを細くして、こっちに糸を通すと……。ほら、はずれた!」 .
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