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「ちょっと直也!! 聞いてんの話!!」
姉さんの怒気溢れる声が、僕がさやちゃんとの思い出で、うっとりするのをブチンと切断した。
さやちゃんと、結婚できたらいいなあ。なんで今まで思いつかなかったんだろう。
でも、さやちゃんは僕と結婚したいと思うかな? 結婚しても、いいのかな? 僕このままでも十分幸せなんだけど。
「姉さん、さやちゃん、僕と結婚してくれるかな?」
「すると思うわよ。あの子、うちに来た時、自分の話しないで、あんたの事ばっかり聞いてたのよ。あとお父さんとお母さんの趣味の話とか退屈なのに、真剣に聞いてた。
正直、ミルクティー色の髪だし、お人形みたいに可愛いし、あんまりにも、直也と釣り合いとれないから、うちの財産目当てかと思ったけど、
なんか、見た目まで釣り合いとれるようにしちゃったの、さやかちゃんでしょ? お願いだから、逃さないで。
あんたの結婚は、家族中が諦めてた。ほとんど奇跡よ。あんないい子が、直也の彼女だなんて」
やっぱり、姉さんの言い分は若干酷いと思ったけど、正しい事がほとんどなので、何も言えなかった。
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