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「そうとなったら、直也、今すぐ指輪買いにいくわよ!!」
「へっ?」
「直也のペースに任せたら、何年かかるかわからないもの」
そう行って姉さんは、お茶も全部飲めてない僕をリビングから、引きずりだして、自分の赤いレクサスにほとんど誘拐みたいに押し込んだ。
どこにいくんだか分からないけど、指輪って予算がイマイチわからない。現金、今いくらあったっけ?
「姉さん、指輪っていくらくらいするの?」
「あ、忘れてた。直也、あんたカードもってないの?」
僕は学生の頃から使っている財布を無造作に出して姉さんに渡した。
姉さんは、僕の財布の中を見て、カードを引き出した。
「アメックスのブラック!? なんて生意気なもん持ってるのよ。これ、限度額ないはずだから、大丈夫」
「あー。それ、村岡が持ってて、見た目がカッコ良かったから作ったんだけど、まだ一度も使ったことない」
「これで買えるから大丈夫」
姉さんは安心して、車を発進させた。
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