僕の彼女は女神様④

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「山内様、いらっしゃいませ、本日はどのような物をお探しでしょうか?」 姉さんに引きずられて来たのは銀座のカルティエだった。姉さんがよく来るのか、店員の対応がやたらと丁寧で恭しかった。 「これ、私の弟なんだけど、今度結婚する事になったから、婚約指輪を見たててやって欲しいの」 「まあ、弟さんのご婚約指輪をお探しに? それはおめでとうございます。ご婚約者様はどのようなお嬢様でしょうか」 さやちゃんが、どんな女の子かって? 「女神」 「さ、左様でございますか。そうしましたらご案内いたしますね」 あ、噛んだこの人。と思っていたら、姉さんに思いっきりはたかれた。 「もっと具体的に言いなさいよ!! 女神って言われた方の身になりなさい!!」 「痛い。でもさやちゃんを一言で言うと、そうなるから」 案内された個室で待っていると、お茶を出しながら、さっき噛んでた店員さんが、こう言って、僕の思考は固まった。 「ちなみに、ご婚約者様の指のサイズはおいくつでしょうか?」 サイズ? さやちゃんの指のサイズ? .
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