第一章

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「な…何だこいつ。強ぇぞ」 「何なんだあの力は…」 山賊共は剣を構えながらも遠巻きに俺を囲むだけで動かない。 「てめぇら!なにビビってやがる!相手は餓鬼一人だぞ? 一斉にかかれ!」 山賊の頭らしき男が命令を出す。 頭は他のものより頭一つ背丈も大きく体つきもガッチリしている。 ジリジリと近づいてくる山賊共。 そして一人の雄叫びとともに一斉にかかって来る。 「チッ…もうどうにでもなれ!」 って素手じゃどうしようもねぇ。 コツッと足に当たる鉄の感触。 「ハッ…やってみるか」 俺は剣を拾うと、ぎこちないながらも構えてみる。 「くっそぉぉぉ!!」 適当に振り回した剣は凄まじい早さで山賊共を切り裂き、その早さについてこられない空気が真空となり、衝撃波となって周りを襲う。 「「「ぐわぁぁ!」」」 俺の周りには一人の山賊として立ってはいない。 奥に立ち尽くした頭を除いては。
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